■いささかシナリオに難はあれど、それを補う楽しさがあった
歯が欠けていて金髪ではありますが、そういった分かりやすいビジュアル以外の部分での演技が本当に凄まじいのでしょう。彼の怪演を観れるだけでも、この映画にお金を払ってよかったと心から思えました。
これは推測ですが、ウッチャンナンチャン・内村光良さんのコント番組『LIFE!』(NHK)で培われてきた経験も、大いに影響したことでしょう。
ちなみに、パンフレットにて福田監督と主演の吉沢さんはそれぞれ中川さんをこう評していました。
《今回変わり身で言ったら一番だったと思いますね》(福田監督)
《すごかったですね。現場で見ていて、“めちゃめちゃやるやん!”って思って(笑)。羨ましかったです。原作の3巻の表紙をあらためて見て、“あっ、大志がいる!”と思いましたから(笑)。外見・表情含めて作り込んできていて、頼もしいなって感じました》(吉沢亮)
総括すると、演者に関しては中川さんの演技が頭一つ抜けて素晴らしかった。
シナリオに関して言うと「結局あれは何だったの?」という部分は多々あれど、「クリスマスやサンタクロースの夢を壊さない夢いっぱいの映画」としては素敵な映画でした。
私がこの映画を観たのは12月25日。クリスマスでしたが、この映画のために2時間を使ってよかった。心からそう思います。どことなく続編を示唆させる終わり方だったので、「2」に期待したいーー。
追伸:ちなみに本作は山田裕貴さんが「主人公(吉沢)の幼少期に事故死した父親」を演じていますが、吉沢さんは『仮面ライダーフォーゼ』の“2号ライダー・朔田流星/仮面ライダーメテオ”を、山田さんは『海賊戦隊ゴーカイジャー』の“ジョー・ギブケン/ゴーカイブルー”を同じ2011年に演じていた、ある意味では同期の特撮俳優。ちょっとした縁を感じました。