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吉沢亮主演映画『ブラックナイトパレード』は「難あれど素敵なクリスマス映画」であり、最大の見どころは中川大志の強烈怪演だった

 クリスマス、ということで。

 吉沢亮さん主演映画『ブラックナイトパレード』を観てきました。

 本作は『荒川アンダーザブリッジ』や『聖☆おにいさん』などで知られる中村光先生の漫画が原作。監督を務めるのは、福田雄一さんです。

 内容を非常にざっくりと説明すると、「人生にくすぶっているコンビニバイトの主人公が、ふとしたことでサンタクロース、それも“ブラックサンタ”の会社で働くことになって……」という話。

 『東宝MOVIEチャンネル』より

 結論から言うと映画のシナリオは原作が未完な事もあり、かなり中途半端でした。伏線をまるまる放置したような感じになっていて、それはどうかな、とは思いました。

 しかし、「クリスマス映画」としては、心から楽しく鑑賞することができました。

 私は本作について「実はサンタはブラック企業だった!」という風なドタバタ劇をイメージしていたのですが、実際に描かれていたのは真摯に子どもたちのために頑張る人たちの物語。

 多少下品なギャグこそありましたが、基本的にサンタクロースやクリスマスを腐すような感じもなく、メンバーがそれぞれ一生懸命だったこと、前半はハッキリ言って殺意を覚えるレベルにイラッッとさせられた田中皇帝(たなか・かいざー/中川大志)も、過去が明らかとなってからは素直に応援できるようになったこと。この2つが大きい。

 くわえて、本作は案の定佐藤二朗さんやムロツヨシさんが出るし橋本環奈さんが変顔するしで典型的な「福田組」でしたが、従来に比べるとそういった演出が控えめになっていてくどくなかったことも、わずかながら大きな要素だと思いました。

 役者に関して言うと、圧倒的に中川大志さんのインパクトが凄まじかった、というのは誰もが認めるところでしょう。

 失礼を承知で言うと、他の俳優陣はどんなに演技力が高くとも「実在する俳優の○○さん」の顔が思い浮かびます。もちろんそれ自体は仕方ないことだし、悪いことだとも思いません。

しかし、中川さんだけは本当に「どことなく中川大志っぽい顔をしているけど似て非なる何か」としか見えませんでした。

「実は『ブラックナイトパレード』に中川大志なんて人は出演していなかった」と言われたら、たぶん信じてしまいます。

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